遺言書があると家族は助かります

「相続の時期は慌ただしい時期でもある」

 

遺言書があると無用な遺族の争いを避けられるケースがあります。親族間の不和「争続」を見据えて遺言書を作成しておくことは非常に有効ですが、同時に遺言書には遺族の「手間」を軽減させるという効用もあります。相続が起きた後の家族は故人を悼む間もなく、葬儀・埋葬等の供養事や新らしい生活への準備等、何かと慌ただしい現実の手続きに直面します。その多忙な時期に煩雑な相続手続きを軽減させることもできるのです。

次に、遺言書がある場合の「手間」に関するメリットをいくつかご紹介いたします。

 

「相続財産調査が軽減できる」

 

例えば父親が亡くなり子供が相続人の場合、親の財産を正確に把握できているケースは多くはありません。そのため、遺言書が無いと父親名義の資産はどこに何がどれくらいあるかを入念に調べる必要が生じます。一方、遺言書がある場合はその記述が財産目録のようなものともいえるので、調査の手間は格段に軽減されます。

 

「必要書類を集める手間を軽減できる」

 

相続関係を証明するのは戸籍になるため、相続の手続きにおいては亡くなった方の一生分の戸籍等の多くの証明書類を要求されます。しかし、遺言書がある場合はそこまでの証明書類を要求されません。役所窓口等で何度も戸籍を取り直している方を見かけることも多いので、この手間を軽減できるのも大きなメリットでしょう。

 

「早ければ2週間程度で手続きが完了できる」

 

遺言書が無い場合、相続手続きを終えるまでの期間は2~3か月かかるケースが一般的だと思います。相続人間の合意が得られず数年かけても完了していないようなケースもありますが、スムーズに合意が得られてもそれまでの調査・資料収集、或いは話し合う場の設定(法事の際に話し合う)等で、ある程度の期間がかかってしまうのです。一方、遺言書がある場合は大幅に短縮できるので、早いケースだと2週間程度で手続きが完了し、解約した故人の銀行口座から葬儀費用を支払った、といった話もよく耳にします。

 

「遺言書をお薦めします」

 

以上のような効用もある遺言書について、残された家族の負担を軽減させるためにも、作成しておくことを強くお勧めいたします。

また、相続人の立場からも、相続が発生したらまず遺言書が無いか探してみることも肝要です。